スマホ依存に隠れた気持ち

■スマホ依存の裏にあるもの
 依存になる人は、そのこと自体が好きというよりも、それ以外になにがしかの悩みがあって、そこから逃げる行動のひとつとして依存をしていることがほとんどだと言われます。
 スマホ依存も同じです。
 確かに、スマホのゲームは楽しいものですし、夢中になるような仕掛けがたくさんあります。また、友人とのSNSでは、集団の圧力もあるので、なかなかやめられないこともあるでしょう。
 大切なのは、それはそれ、と思えるかどうかです。
 幼いころから、様々なものに触れ、それぞれ楽しい、価値があると思って育った子供は、スマホも「楽しいもののひとつ」になります。
 友人との会話は確かに大切だけども、今はしなくても、友人はわかってくれるし、大丈夫。
 そう思えるかどうかは、自分自身の情緒が安定しているかが非常に大きな要素になります。
 そして、そのいずれも、生まれ、育っていく中で、保護者をはじめとした周囲から、どれだけ愛情を受けて育ったかによって変わります。
 スマホ依存に、子どもがなってしまったとしたら…?
 スマホを禁止することも大切でしょうが、もっと大切なことは、他に何か、楽しいこと、自信が持てること、達成感や充実感が感じられることを一緒に探してあげること。
 そして、安心できる人間関係を作れるよう支えてあげることです。
 その中では、身近な存在である保護者の方自身が、子どもを支える、という姿勢を明確にし、それを伝え続けていく事です。
 「友達とLINEしないと、仲間外れにされる」と子どもが言ったら、
 「そうか、友達も、不安でいっぱいなんだろうね。きちんと関わっているあなたは素晴らしいね。でも、もし仲間外れにされても、私は味方だからね」と伝える。
 実際に仲間外れになっていい、ということでなく、もしそうなっても一人ではない、ということを伝えていく事が大切です。
 スマホ依存の裏側にあるのは、子どものだらしなさではなく、寂しさかもしれません。
 その寂しさに気づき、支えてあげることができれば、依存はなくなるのかもしれませんね。

スマホのルールを決めよう

■スマホルールはこう決めよう
 とはいえ、多忙な学生時代。スマホに時間をかけすぎてしまうと、健康を崩してしまったり、学業に支障が出たりすることもあります。
 そんな時には、スマホを使うルールを決めていく事が大切です。
 ここで重要なことは何か、というと、まずは物理的な距離を離すことです。
 もっと簡単に言うと、目に見えなくする、音を聞こえなくすることです。これだけでも、大きな効果があります。
 これは、子どもの個性にもよるのですが、例えば勉強机の引き出しにしまうだけでもいいでしょうし、親があずかることもあるでしょう。
 ただし、親があずかる場合には、できるだけ、親があずかっている、という印象を持たせないようにすることが大切です。
 思春期といわれる時期は、とにかく「自我(自分らしさ)」をどう確立するかが、彼らの問題になります。そんな時に、「あなたは自律できないから、親があずかる」というメッセージを送ったら、反発されて当然です。むしろ、反発されないほうが不安ですよね。
 ポイントは、物理的に見えなくなることでいいのですから、自分自身でしまわせてもいいのです。
 つぎに、一度決めたルールは基本的には曲げない。
 そのためにも、最初にルールを決める時に、「いい子になりすぎない」ことが大切です。
 ルールを決める時には、まだ現実に直面していないので、理想的なルールを決めてしまうことがあります。
 たとえば、「毎日9時には、お母さんにスマホを渡す」のように…
 でも、実際にやってみると、部活や友人関係のチャットトークが緊急だったりして、預けられない。
 「なんで毎日って言ったのにできないの」から、ずるずるとルールそのものが曖昧になってしまうこともあります。
 毎日できれば、それがベストかもしれませんが、例えば、週に1~2日は、預けなくてもいい日があって、それは自分で決められる。等の簡単な付帯条項を付けたほうがいいでしょう。

親はどうなの?

■親のふり見て…
 「子供が、スマホに夢中で、なかなかやめられないです…」
 そんな悩みを持っている保護者の方は多いのではないでしょうか。
 そんな時、まず自分自身がどうなのか、ということを振り返る必要があります。
 蛙の子は、蛙。子は、親の行動をモデルにして行動します。だとすると、子どもがスマホを止められない理由は、親が止めていないからかもしれません。
 もちろん、子どもと大人で、状況はちがいます。仕事などのために、絶対に必要な部分もあるでしょう。でも、本当にそれだけでしょうか?
 子供は、最も近い他者です。だとすれば、子どもに何かをさせたければ、まずは自分が何をしているかを振り返る必要があるのです。
 また、今はスマホによる子育てをする人も増えています。
 昔ながらの子育てが全て全である訳ではありませんが、スマホによる子育てには、目が悪くなる、という身体的な影響もありますが、それ以上に、精神的に大きい影響があります。
 アメリカでの研究では、育つ中で、テレビを見る時間が多かった子供は、親との接触が多かった子供に比べ、共感の力に欠け、思考力も低かった、と出ています。
 スマホも、これと同じようなものです。
 また、幼いころから、ストレス回避行動としてスマホを選択させると、その習慣は成長しても持続します。まさに、三つ子の魂100までですが、考えてみれば、小さいころは「面倒くさいからスマホ見ていなさい」と言っていながら、成長したら「やめなさい」というのは、筋が通らない話ですね。
 いずれにせよ、自分自身が面倒臭いから、手間がかかるから、という理由で、子育てにスマホを取り入れるのは、あまり勧められない方法である、ということができるでしょう。
 大切なことは、スマホ依存だな、と思ったとしても、それを相手だけの問題、つまり、子どもだけが悪いから、と思わないことです。
 確かに、子どもは独立した個人ですが、それと同時に、最も身近なモデルである親を見て影響をうけます。
 自分自身も、顧みることが大切です。